平安時代、京都三条に住む刀工・三条小鍛冶宗近は、時の第66代一条天皇より自身の守り刀を鍛えてもらいたい旨の宣旨を受けます。天皇からのありがたいと宣旨ですが、当時、宗近の技量に迎合した相槌が居りません。そこで宗近は、伏見稲荷に詣でます。稲荷大神に祈願すると、大神のお使いの神霊・子狐が宗近の前に現れます。
子狐は、宗近に“あなたの仕事場に戻って準備をしなさい”と申し渡します。宗近は仕事場に戻り作業準備をしていると神霊・子狐が白装束に身を包んだ相槌姿となってやってきます。宗近は相槌に変身した子狐と難なく、一条天皇の守り刀を鍛えます。鍛刀は“小狐丸”と命名されて天皇に献上されたとのことです。
なお、三条小鍛冶宗近は京都祇園祭の山車に飾られた長刀鉾を鍛えたことでも有名です。